
目次もっと見る
加熱は精製タイプ、仕上げはエキストラバージン。この二段使いが正解です
1950年から小豆島でオリーブを育て、搾り、瓶詰めまで一貫して手がけています/ 15時までのご注文で当日出荷
結論から言います。オリーブオイルは加熱して大丈夫です。「オリーブオイルは生専用」というのは誤解で、温度を管理すれば炒め物にも揚げ物にも使えます。実際、地中海沿岸では昔からふつうに加熱調理に使われてきた油です。
ただし、押さえておくべき境界線があります。それは白い煙が出る温度を超えないこと。この一点だけ守れば、加熱で失敗することはほぼありません。
| 調理 | 目安の温度 | 使うタイプ |
|---|---|---|
| ソテー・野菜炒め・卵料理 | 150〜170℃(中火) | エキストラバージンでもOK |
| 揚げ物・フリット | 170〜180℃ | 精製タイプ(食用オリーブ油)が安定 |
| 和え物・スープの仕上げ・パン | 加熱しない | エキストラバージン一択 |
エキストラバージンオリーブオイルの発煙点は、およそ160〜210℃と言われています。幅が大きいのは、品種・ろ過の有無・含水量・不純物の量で変わるからです。だから「何度まで大丈夫」と数字だけで覚えるより、鍋を見て判断するほうが確実です。
白い煙が立ち始めたら温度オーバーのサイン。そこで火を落としてください。「パチパチという音+刺激のあるにおい」が出たら、そのオイルは劣化しています。
オリーブオイルの主成分はオレイン酸という一価不飽和脂肪酸です。サラダ油などに多い多価不飽和脂肪酸に比べて、熱や酸化に比較的強い組成だと報告されています。つまり油としての性質上、加熱に向いている側の油だということです。
一方で熱に敏感なのは、香りの成分(揮発性アロマ)とポリフェノールです。ここが減ることを「栄養が壊れる」と表現されることがありますが、正確には「香りと一部の成分が飛ぶ」という話です。オイルそのものが体に悪くなるわけではありません。
「加熱すると体に悪い」という話がどこから来ているのかを理解しておくと、判断に迷わなくなります。加熱でオイルに起きる変化は、料理目線で見ると次の4つです。
温度が高く、時間が長くなるほど酸化は進みます。オリーブオイルはオレイン酸が主成分なので、多価不飽和脂肪酸の多い油より酸化に強いとされています。とはいえ高温かつ長時間の組み合わせは避けたいところです。
エキストラバージンの青い香りや、喉にくる辛味は、中火以上や長時間の加熱で弱まります。香りを残したい料理なら、火入れを短くするか、仕上げに回しかけるのが正解です。
ポリフェノールは高温ほど失われやすいとされています。ただし中温の炒め物程度なら、一定量は残ると考えられています。ゼロになるわけではありません。
ここが唯一、はっきり避けるべきポイントです。煙が立つ温度を超えると劣化が加速します。鍋から白い煙が出始めたら温度オーバー。どの油であっても、発煙点を超えた運用は避けるべきです。
整理すると:加熱で減るのは主に「香り」と「一部のポリフェノール」。オレイン酸は比較的安定しています。そして本当に避けるべきなのは温度そのものではなく、白煙が出る領域まで上げてしまうことです。「オリーブオイルの加熱は体に悪い」という話は、この発煙点超えの話と、香りが飛ぶ話が混ざって伝わっているものだと考えています。
「エキストラバージンは加熱してはいけない」と聞いたことがある方も多いと思います。これも誤解です。加熱できます。ただしもったいない使い方になりやすいので、コツがあります。
フライパンを弱〜中火で温め、オイルがゆらめく状態(シマリング)になったら食材を入れます。白い煙が出たら温度オーバーです。返しは最小限にして、火入れを短く済ませてください。
ここがいちばん実用的なコツです。加熱は精製タイプ、仕上げにエキストラバージンという二段使いにすると、香りも温度管理も両方成立します。揚げ物や強火の炒め物にエキストラバージンを使うのは、香りが飛んでしまうという意味で損な使い方です。
水滴は油はねと局所的な過熱、そして劣化の原因になります。投入前にキッチンペーパーで水気を拭いてください。塩は焼き目が付いてから振るほうが、水分が出にくく無難です。
強火を連発するより、中火で火を入れて余熱で仕上げるほうが、苦味も香り飛びも抑えられます。卵・魚・野菜は特にこの方法で失敗しにくくなります。
エキストラバージンは香りが価値です。揚げ油として何度も使い回すのは向きません。家庭で再利用する場合も基本は1回まで、濾したうえで短期・低温の用途に限ってください。
未ろ過のエキストラバージンは風味が豊かですが、水分や微粒子が多く焦げ付きやすくなります。加熱に使う機会が多いなら、ろ過されたタイプのほうが扱いやすいです。
この二段使いに
食用オリーブ油 182g + 手摘みEV 45.5g
加熱にはクセが少なく煙点の高い精製タイプ、仕上げには手摘みのエキストラバージンをひと回し。この2本を持っておくと、温度を気にせず香りも立てられます。
食用オリーブ油 182g ¥1,296 この商品を見る →
「中火ベース+短時間」を軸に、料理ごとの適温を押さえておけば失敗しません。温度の低い順に並べました。
| 調理法 | 温度 | ポイント |
|---|---|---|
| 乳化ソース | 余熱〜80℃前後 | 焼き汁+レモンや白ワインに、オイルを少しずつ加えて振って乳化させる |
| オイルポーチング(オイル煮) | 100〜120℃ | 低温の油に魚・鶏・根菜を沈めてしっとり火入れ。微細な気泡が上がる程度をキープ |
| 香味オイルの香り出し | 120〜150℃ | にんにく・唐辛子・ハーブを低〜中温で。色づいたら具材投入か火を落とす |
| オイル蒸し | 130〜150℃ | 蓋をして弱め中火。蒸気と油の熱伝導を使う。塩は後半に |
| ソテー | 150〜170℃ | 中火で温め、オイルがゆらぐシマリングで投入。返しは最小限 |
| 浅揚げ・フリット | 170℃前後 | 衣は薄め。パン粉が3〜4秒で浮く温度が目安。白煙はNG |
| ロースト(オーブン) | 170〜200℃ | 具材をオイルでコートして焼成。途中で一度返すと均一に焼ける |
加熱は精製寄り、仕上げはエキストラバージン。この二段使いがいちばん応用が利きます。1本で済ませたい場合は、ろ過された酸度の低いエキストラバージンを選び、中火までの調理と仕上げに使ってください。
温度帯ごとに、実際に作りやすいレシピを紹介します。どれも「中火・短時間・仕上げに追いオイル」の考え方で組んでいます。
材料(2人分):むきエビ200g、にんにく2片、エキストラバージンオリーブオイル大さじ2、塩小さじ1/3、黒こしょう、レモン
短時間加熱に、仕上げのエキストラバージンで香りを補強するのがコツです。
材料(2人分):白身魚2切れ、エキストラバージンオリーブオイル200ml、にんにく1片、ローズマリー、塩
温度計があると確実です。なければ、微細な気泡が上がる程度をキープしてください。
材料(2人分):スパゲッティ160g、オリーブの実30g、ミニトマト10個、エキストラバージンオリーブオイル大さじ1+仕上げ大さじ1、にんにく1片
火を止めてから追いオイルを入れることで、香りが飛びません。
材料(2人分):鶏もも1枚、エキストラバージンオリーブオイル大さじ1、塩小さじ1/2、こしょう、タイム
鶏に塩こしょうをして、オイルでコート。180℃で20分焼いたあと、200℃で5分。最後に温度を上げて皮をカリッとさせます。取り出して3分休ませてからカットしてください。
材料(2人分):新じゃが300g、食用オリーブ油適量、塩、ローズマリー
じゃがいもを5分下ゆでして水気を切り、170℃で4〜5分。下ゆでしてから揚げることで、外はカリッと中はホクホクになります。ここは精製タイプの食用オリーブ油が扱いやすい場面です。
材料(2人分):ブロッコリー1株、アンチョビ2枚、にんにく1片、エキストラバージンオリーブオイル大さじ2、レモン
下ゆでしたブロッコリーをソテーし、アンチョビとにんにくを加えます。火を弱めてレモン汁を加え、振って軽く乳化させます。酸と油は1:3を目安に、少しずつ加えるときれいに乳化します。
材料(1人分):卵3個、エキストラバージンオリーブオイル大さじ1、塩、こしょう、好みの具
中火でフライパンを温めてオイルを入れ、卵液を流します。外側が固まったらすぐ折りたたみ、余熱で中をとろりと仕上げます。強火は避けて、中火1分+余熱が黄金比です。
使い分けのコツ:①②③⑥⑦のように香りを活かす料理はエキストラバージン。⑤のような揚げ物は精製タイプの食用オリーブ油。④のオーブン料理はどちらでも成立しますが、仕上げにエキストラバージンをひと回しすると香りが立ちます。
ここからは、1950年の創業以来、小豆島でオリーブを育て搾り続けてきた私たちの視点で、加熱と向き合うときのオイル選びをお伝えします。
お客さまからいちばん多くいただくのが「加熱に使えるオリーブオイルはどれですか」というご質問です。私たちの答えは決まっていて、2本持ってくださいとお伝えしています。
理由はシンプルです。手摘みのエキストラバージンは、青々しい香りと喉にくる辛味が価値です。それを170℃の揚げ油に注いでしまうと、いちばんおいしいところが飛んでしまいます。逆に、精製タイプでソテーして仕上げにエキストラバージンをひと回しすれば、両方が活きます。同じ予算で満足度が上がる使い方だと考えています。
私たちの「食用オリーブ油」は、クセを抑えた精製タイプです。香りの個性は控えめですが、そのぶん煙点が高く、素材の香りをじゃましません。にんにくや魚介の香りを立てたいアヒージョやソテー、たっぷり油を使う揚げ物で本来の力を発揮します。
「精製タイプは品質が低いのでは」と思われることがありますが、これは用途が違うだけです。加熱調理という仕事に対しては、精製タイプのほうが適した道具だということです。
小豆島オリーブでは、栽培・収穫・搾油・瓶詰めまでのすべてを小豆島の自社施設で完結させています。滝宮地区の約2ヘクタール(6,000坪)の自社農園で約6品種を育て、11月に一粒ずつ手摘み。傷のない実だけを選び、新鮮なうちにコールドプレスで搾ります。収穫は11月、出荷は12月です。
加熱の話で意外と大事なのが、この鮮度です。古い油や遊離脂肪酸が増えた油は発煙点が下がります。つまり同じ「エキストラバージン」でも、鮮度が落ちたものは加熱に弱くなるということです。加熱に使うなら、なおさら搾油日のはっきりしたオイルを選んでいただきたいと思っています。
日本・アメリカ・イタリア 3カ国で受賞
生産者からのひとこと:「オリーブオイルは加熱してはいけない」と信じておられる方に会うと、いつも少し残念な気持ちになります。小豆島でも、私たちは日常的に炒め物や揚げ物にオリーブオイルを使います。大事なのは、白い煙を出さないことと、香りを楽しみたいオイルを高温にさらさないこと。この2つだけです。
EDITOR'S PICK
加熱には煙点の高い精製タイプ、仕上げには手摘みのエキストラバージン。この組み合わせが一番失敗しません。
「火を入れると体にいい成分が消えてしまうのでは」というご質問にお答えします。結論としては、残るものと減るものがはっきり分かれます。
オリーブオイルには、主成分のオレイン酸のほか、ビタミンEやポリフェノール(ヒドロキシチロソール、オレオカンタールなど)が含まれると言われています。エキストラバージンを口にしたときの喉にくる辛味は、このオレオカンタールによるものとされています。
オレイン酸は一価不飽和脂肪酸で、LDLコレステロールとHDLコレステロールのバランスに関して研究が行われている成分です。また、オリーブオイルは魚・野菜・豆・全粒穀物と組み合わせる地中海食の中核をなす食材として語られてきました。油と一緒にとることで、脂溶性のビタミン(A・D・E・K)やカロテノイドの吸収を助けると言われています。
ただし、これらは成分の特徴や一般的に言われている傾向をまとめたものです。特定の食材だけで健康が決まるわけではなく、バランスのよい食事の一部としてとらえるのが基本です。
家庭での目安は、1日大さじ1〜2(10〜20g)程度。バターや動物性の脂の一部を置き換えるイメージです。オリーブオイルは大さじ1で約110kcalあるので、「体に良さそうだから」と量を増やしていくとカロリーオーバーにつながります。
注意:ここで紹介した内容は、オリーブオイルに含まれる成分や、一般的に言われている傾向をまとめたものです。特定の病気の予防・治療を保証するものではありません。胆のうや膵臓に持病がある方、治療中の方、薬を服用している方は、医師の食事指導を優先してください。
加熱に一度使ったオイルは、風味も安定性も落ちます。基本はその場で使い切ると考えてください。
未使用のオイルの保存は「光・熱・空気を避ける」が三原則です。15〜20℃の暗所に置き、コンロ横や窓際は避けてください。廃油は冷ましてから紙や布に吸わせて可燃ゴミへ(お住まいの自治体のルールに従ってください)。
あなたの加熱調理に合う1本を診断
Q1. 揚げ物や強火の炒め物をよく作る?
オリーブオイルは加熱して大丈夫です。「生専用」という思い込みを外せば、料理の幅は一気に広がります。最後にポイントを整理します。
意外と知られていないことですが、古くなった油は発煙点が下がります。つまり鮮度が落ちたオイルは、加熱に弱くなるということです。加熱調理に使うなら、なおさら搾油日のはっきりしたオイルを選ぶ意味があります。
小豆島オリーブは、11月に手摘みで収穫し、12月に出荷しています。栽培から搾油、瓶詰めまでを小豆島の自社施設で一貫して手がけているので、いつどこで搾ったオイルなのかがたどれます。加熱用の精製タイプと、仕上げ用の手摘みエキストラバージン。この2本から始めてみてください。
炒め物・揚げ物には煙点の高い精製タイプ。
仕上げのひと回しには、手摘みのエキストラバージンを。
加熱用の定番(ソテー・炒め物)
食用オリーブ油 182g(箱入)
1,296円(税込)
この商品を見る →
仕上げの追いオイルに
手摘みエキストラバージンオイル 45.5g(箱入)
1,728円(税込)
この商品を見る →
揚げ物にたっぷり使う方に
食用オリーブ油 800g(缶入)
4,860円(税込)
この商品を見る →あと少しで送料無料 / お好みの1品を追加
ガーリックオリーブオイル 90g(香り出しに) ¥1,242 手摘みエキストラバージンオイル 182g ¥5,400 手摘みエキストラバージンオイル 91g ¥3,348 食用オリーブ油 1ケース12本(まとめ買い) ¥15,552