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小豆島で手摘みした実を搾ったオイルは、この3本
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庭やベランダのオリーブに実がたくさんついて、これでオイルが作れないかと考えている方へ。家庭の道具でもオリーブオイルは搾れます。ただ、取れる量は想像よりずっと少なく、温度と時間の管理で味が大きく変わります。
小豆島でオリーブを育て、毎年11月に実を手で摘んで搾っている私たちが、家庭で搾るときの手順と、うまくいかないときの原因、搾ったあとの保存までをまとめました。
オリーブオイルは、オリーブの果実を搾って取る油です。種から取る菜種油やごま油とはそこが違います。ぶどうを搾ったジュースに近い性質なので、香り・味・鮮度がそのまま品質に出ます。
地中海沿岸では数千年前から食用や灯りに使われてきました。日本では明治41年(1908年)に国が香川・鹿児島・三重の3県で試作を行い、根付いたのは小豆島だけでした。大正の初めには島で搾油ができるまでになっています。
自分で搾る楽しさは、この「果実のしぼり汁」をいちばん新しい状態で味わえることにあります。摘んだ実の熟し具合で、青い香りが立ったり、まろやかになったりするのを、自分の舌で確かめられます。
味を見るときの手がかりは3つです。
国際オリーブ協会(IOC)の規格では、オリーブオイルは大きく次のように分かれます。
| 区分 | どんな油か |
|---|---|
| エキストラバージン | 果実を搾っただけで化学的な精製をしない油のうち、風味に欠点がなく酸度0.8%以下のもの。香りと味を楽しむ油です |
| バージン | エキストラバージンにわずかに及ばない品質のもの。国内ではあまり見かけません |
| 精製オリーブオイル | 精製してくせを取った油。香りが穏やかで、料理の味を邪魔しません |
| オリーブポマースオイル | 搾りかすから取る油。家庭で作る対象にはなりません |
家庭で搾ったオイルは、化学的な処理をしないのでバージンオイルの仲間です。ただし酸度を測る手段がないので、エキストラバージンと名乗れるかどうかは分かりません。
買うときに見ておきたいのは次の4点です。
使い方で選ぶなら、私たちは2本持ちをおすすめしています。サラダやパンには香りの立つエキストラバージンを生のまま、炒め物や揚げ物には香りの穏やかなオイルを。どちらが上というわけではなく、使う場面が違います。
小豆島のオイル、どれから使う?
Q1. 炒め物や揚げ物にも使いますか?
Q2. まずは少しだけ試したい?
材料は収穫したてのオリーブの実だけです。青い実から色づき始めの実が中心だと香りが立ち、黒く熟した実が多いとまろやかになります。数kgあれば工程をひととおり試せますが、取れる油はごく少量です。最初は量より、香りを確かめる体験だと考えてください。
道具は、あると作業が楽になる順に並べます。
収穫の時期で味が決まります。青い香りと辛みがほしいなら早めに、まろやかさがほしいなら色づいてから。両方を混ぜて搾る方法もあります。
摘んだらできるだけ早く、目安として24時間以内につぶします。置いておくほど実の中で傷みが進み、香りが落ちます。私たちが手摘みにこだわるのも、実に傷をつけないためです。家庭でも、カゴにタオルを敷いて実をぶつけないようにするだけで違います。
つぶす前に、葉や枝、傷のある実、虫食いの実、地面に落ちていた実を取り除きます。もったいなく感じても、ここで外したほうが嫌なにおいの出ないオイルになります。軽く水洗いしたら、水気をよく切ってください。種は取らずにそのままつぶします。
こしたオイルは、遮光瓶に口近くまで入れてふたをします。瓶の中の空気が少ないほど、酸化が進みにくくなります。保管は直射日光の当たらない涼しい場所で。家庭で搾ったオイルは市販品より水分や果肉が残りやすいので、開けたら1か月ほどを目安に、においや味が変わる前に使い切るつもりでいてください。
量がほとんど取れない
普通のことです。家庭の道具では、実に含まれる油の一部しか取り出せません。練る工程の温度と時間を見直すと、少し増えることがあります。
苦い、辛い
若い実で搾ると、苦みと辛みがはっきり出ます。失敗ではなく、新しいオリーブオイルらしい風味です。気になるときは、熟した実の割合を増やす、種を砕きすぎない、搾るときに強く押しすぎない、の3つで和らぎます。
濁る、変なにおいがする
水分の残り、道具の汚れ、収穫から搾るまでの時間の長さが主な原因です。においがおかしいオイルは口にせず、次は早さと清潔さを優先してやり直してください。
一度でも自分で搾ってみると、店に並ぶ小さなボトル1本に、どれだけの実と手間が入っているかが実感できます。私たちは自家製に挑戦する方を応援していますし、その体験はオリーブオイルの味の見方を変えてくれます。
そのうえで、家で搾るオイルと、農園で搾るオイルの違いを並べておきます。
| 家庭で搾る | 農園で搾る | |
|---|---|---|
| 必要な実の量 | 数kgでも試せるが、取れる油はごく少量 | まとまった量を一度に処理できる |
| 収穫から搾るまで | 自分の都合しだい。週末にまとめると時間が空く | 収穫に合わせて搾る段取りを組む |
| 温度や油と水の分離 | 手作業。温度計と湯せんで調整 | 専用の機械で管理する |
| 品質の確かめ方 | 自分の舌と鼻だけ | 品質の基準に沿って確かめる |
| 楽しさ | 自分の木の実が油になる喜びは格別 | ─ |
おすすめしたいのは、搾る前に、基準になるオイルを1本味わっておくことです。手摘みした国産の実を、新しいうちに搾ったオイルがどんな香りか。それを知っていると、自分のオイルの出来がぐっと分かりやすくなります。収穫期の外でオリーブオイルを楽しみたいときにも、手元に1本あると困りません。
私たちの農園は、小豆島北西部の滝宮地区にあります。約2ヘクタール(6,000坪)の畑で、食用と化粧用で使い分けるために約6種類のオリーブを育てています。
11月に収穫したオイルは、12月にお客様のもとへお届けしています。
搾る前に、基準の1本を
手摘みエキストラバージンオイル 45.5g
小豆島で一粒ずつ手摘みし、傷のない実だけを新鮮なうちに一番搾り。
小さいサイズで、まず香りを確かめてみてください。
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少ししか取れない自家製オイルは、加熱で香りを飛ばすより、生のまま味わうのがいちばんです。仕上げにかけるだけの料理から、軽く火を通すものまで5品を紹介します。
材料(2人分):新玉ねぎ 1/2個(薄切り・水にさらさない)/トマト 1個(角切り)/エキストラバージンオリーブオイル 大さじ2/塩 ひとつまみ/レモン汁 小さじ1/黒こしょう 少々
塩を先に野菜に当てると甘みが出て、オイルの青い香りが引き立ちます。
材料(2人分):白身魚(鯛・タラなど)2切れ/塩 小さじ1/3/白ワイン 大さじ1/エキストラバージンオリーブオイル 大さじ2/にんにくの薄切り 1片分/タイムなどのハーブ 適量
材料(2人分):アスパラ・ブロッコリー・舞茸など好みの野菜 250g/エキストラバージンオリーブオイル 大さじ2/にんにく 1片(芽を取ってつぶす)/塩 小さじ1/4/唐辛子 少々
にんにくは色づかせすぎると苦くなります。きつね色の手前で野菜を入れてください。
材料(2人分):バゲットまたは食パン 2枚/エキストラバージンオリーブオイル 各小さじ2/塩 ひとつまみ/好みでこしょう
焼きたてのパンにオイルをかけ、塩をふるだけです。粒の大きいフレーク状の塩を使うと、塩気とオイルの甘みの差がはっきりして、搾りたての香りがよく分かります。自分で搾ったオイルの味見にはこれがいちばん向いています。
材料(作りやすい量):エキストラバージンオリーブオイル 大さじ4/レモン汁 大さじ2/塩 小さじ1/3/はちみつ 小さじ1/黒こしょう 少々/粒マスタード 小さじ1(好みで)
冷蔵で3〜4日を目安に使い切ってください。使うたびに振ります。サラダのほか、カルパッチョや温野菜にも合います。
オリーブオイルが傷む原因は、光・熱・空気の3つです。自家製でも市販品でも、保存の考え方は変わりません。
冷蔵庫や寒い部屋に置くと、白く濁ったり固まったりすることがあります。オリーブオイルは低い温度で固まる性質があるためで、常温に戻して元の状態になれば使えます。
加熱するときは、煙が出始めたら温度の上げすぎです。火を弱めてください。
自家製オイルに生のにんにくやハーブを漬けて、香りをつけたくなる方も多いと思います。作るときは次のことを守ってください。
油に漬けた素材は空気に触れにくくなります。食中毒の原因になるボツリヌス菌は、酸素のない状態で増える菌です。自治体も、密封した自家製の食品は10℃以下の冷蔵で管理するよう呼びかけています。においや見た目がおかしいと感じたら、口にせず処分してください。
私たち小豆島オリーブ株式会社は、1950年(昭和25年)に「日本オリーブ産業」として創業しました。この記事に書いた収穫や前処理の注意は、私たちが毎年の収穫で気をつけていることでもあります。
家庭で搾る方と私たちの違いは、量と道具だけだと思っています。傷のない実を選ぶこと、摘んだら早く搾ること、光と熱と空気からオイルを守ること。気をつけていることは同じです。
2026年、世界最大級の国際品評会「OLIVE JAPAN® 国際オリーブコンテスト」で金賞・銀賞を受賞しました。
受賞したのは、栽培と搾油の技術を高めるために特別に仕立てた限定ブレンド(非売品)です。この審査で認められた品質基準とブレンドの技術を、日々の製品づくりに反映しています。
日本・アメリカ・イタリア 3カ国で受賞
自家製オリーブオイルの作り方と、搾ったあとの扱いをまとめました。
自分の木の実がオイルになる瞬間は、一度味わうと忘れられません。搾る前に、手摘みの実を新しいうちに搾ったオイルを1本味わっておくと、自分のオイルの出来がよく分かります。
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11月に一粒ずつ手摘みし、傷のない実だけを新鮮なうちに一番搾り。
小豆島・滝宮の自社農園から。
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