オリーブの実を知る!栄養と健康効果徹底ガイド

目次もっと見る

オリーブの実の基本知識

オリーブの実とは?

地中海沿岸が原産のオリーブの木は、樹齢100年以上にもなる長寿の樹。秋~初冬にかけて熟す楕円形の果実が「オリーブの実」です。生では強い苦味があるため、そのままかじるよりも塩水漬けやオイルに加工して楽しむのが一般的。果皮・果肉・種すべてに健康成分が詰まっており、“飲む美容液”と呼ばれることも。日本では小豆島や和歌山など温暖な地域で栽培され、グリーンからブラックへと色づきながら風味が変化します。

オリーブの実の栄養価

オリーブの実は良質な脂質とポリフェノールの宝庫。主な成分と働きは次のとおりです。

主な栄養素 働き・期待できる効果
オレイン酸(不飽和脂肪酸) 悪玉コレステロールを抑え、血液サラサラに貢献
ビタミンE 抗酸化作用でエイジングケアをサポート
ポリフェノール(ヒドロキシチロソールなど) 活性酸素を除去し、代謝アップ美肌
食物繊維 腸内環境を整え、お通じ改善に役立つ
β‐カロテン 体内でビタミンAに変換され、粘膜や皮膚を保護

とくに30代以降の女性はホルモンバランスの乱れや乾燥が気になりがち。毎日のサラダやスープにオリーブの実やオイルをプラスすると、内側からツヤとハリをチャージできます。塩分が気になる方は、低ナトリウムのライトソルトタイプや水煮を選ぶと◎。

まとめ

  • オリーブの実は加工して食べるのが一般的。
  • 良質な脂質+ポリフェノールでコレステロール対策&エイジングケアを応援。
  • 30代以上の女性こそ、毎日の食事に“ちょい足しオリーブ”で内側から美を底上げしよう。

オリーブの実の栽培方法

栽培に適した気候と土壌

  • 温暖&乾燥気味の気候がベスト
    地中海原産だけあって、年間平均気温15〜20℃・降水量600〜800 mm程度の“カラッとした地域”を好みます。日本なら瀬戸内・九州南部・房総半島など、冬の最低気温が−5℃を下回らないエリアが◎。
  • 水はけ命!弱アルカリ性の土
    粘土質や長雨でジメジメする場所は根腐れの原因。赤玉土7+腐葉土3+苦土石灰ひとにぎりを混ぜ、pH6.5〜7.5に整えると根張り良好。地植えでも高植え(盛り土)にして排水性を確保しましょう。

ワンポイント
南向きで風通しの良い場所なら、鉢植え(10号以上)のベランダ栽培でもOK。寒冷地は冬だけ室内や温室に取り込むと元気に越冬します。

オリーブの木の育て方

  1. 苗選び
    • 2〜3年生以上で幹が鉛筆より太いものを選ぶと失敗しにくい。
    • “自家不結実”が多いので品種違いを2本以上揃えると実つきが倍増。
  2. 植え付け(3〜4月 or 10〜11月)
    • 植穴は根鉢の2倍掘り、元肥に有機堆肥+骨粉を混ぜ込む。
    • 深植えは厳禁!根鉢上面と地表をそろえ、支柱でしっかり固定。
  3. 水やり
    • 地植え:根付けば基本は雨任せ。夏の極端な乾燥時のみ朝夕たっぷり。
    • 鉢植え:表土が白く乾いたら鉢底から流れるまで与える。
  4. 追肥(年2回)
    • 2月:寒肥に油かす+化成肥料を株元周りに。
    • 6月:実肥として速効性の液肥を葉面散布でチャージ。
  5. 剪定(2〜3月・9月)
    • 開心自然形(V字に広げる形)で光を内部まで取り込み、病害虫予防。
    • 結実枝は前年枝なので切り過ぎ注意。混み合った徒長枝だけ間引くイメージ。
  6. 病害虫対策
    • カイガラムシ:5月と9月に石灰硫黄合剤 or 薬剤散布。
    • オリーブアナアキゾウムシ:幹に食害穴を見つけたら物理捕殺+樹皮の薬剤塗布。

まとめ

  • 温暖・排水性抜群の環境がオリーブ栽培成功のカギ。
  • 苗は品種違いを2本以上で実つきUP。
  • 水やり控えめ&年2回の追肥、軽い剪定で“ほったらかしでも育つ”頼もしい果樹。
  • 病害虫はシーズンごとの定期チェックで早めに撃退し、健康的で瑞々しい実を収穫しよう!

オリーブの実の収穫時期と方法

収穫に適した時期はいつ?

  • テーブルオリーブ(塩漬け・ピクルス用)
    グリーンから淡い黄色に変わる 9〜10月 がベスト。歯ざわりが良く、渋みも抜けやすいタイミング。
  • オイル用オリーブ
    • 香り・ポリフェノールを重視するなら、半熟グリーンが多い 10月下旬〜11月中旬
    • オイル歩留まりを優先するなら、ブラックに完熟する 11月下旬〜12月上旬
  • 色と弾力が合図
    指で軽く押して “ぷにっ” とした弾みがあり、果梗(ヘタ)が茶色くなり始めたら収穫サイン。
    ※小豆島など温暖地は本州より 2〜3 週間早めに動くと◎。

オリーブの実の収穫方法

方法 特徴 メリット デメリット
手摘み(ピッキング) 指先でもぎ取る伝統的スタイル 傷が最小限で最高品質 人手&時間がかかる
コーム収穫 熊手状の櫛で枝をとかしネットへ落とす 手摘みの3〜4倍の速さ、家庭栽培に◎ 軽い擦り傷がつく
振動ハーベスター 枝元を振動させ一気にネットへ 1haを半日でこなす圧倒的効率 専用機械が高価、木にストレス

家庭栽培でのポイント

  1. 朝イチに収穫:実温が低いうちに摘むと酸化酵素が動きにくく風味キープ。
  2. 滑り止め手袋+剪定鋏:硬いヘタは軸ごとカットして実割れを防止。
  3. カゴの底にタオル:落下ショックでの打撲 → 渋み増を回避。
  4. 6時間以内に加工 or 冷蔵5℃:フレッシュアロマを閉じ込める黄金ルール。

まとめ

  • テーブル用は9〜10月、オイル用は10〜12月と目的で時期を変えるのがコツ。
  • 手摘みは品質No.1、コーム併用で効率アップ。
  • 収穫後はスピード勝負!迅速な加工と低温管理で“摘みたてのおいしさ”を守ろう。

オリーブの実の加工方法

オリーブオイルの作り方

  1. 洗浄 & 選別
    収穫当日に水洗いし、痛み・虫食いを除去。鮮度が命なので24時間以内に搾油機へ。
  2. クラッシング(破砕)
    石臼またはステンレスグラインダーで果皮・果肉・種ごとペースト状に。種のプチッという軽い弾け音がベストサイン。
  3. マラキシング(撹拌)
    ペーストを25 ℃前後で20〜30分ゆっくり混ぜると、細かな油滴が合体して歩留まりアップ。温度を上げ過ぎると香りロスに注意!
  4. 遠心分離
    3,000 rpm前後でオイル・水分・果肉カスを三層分離。上層の黄金色だけを静置し微細な澱を沈める。
  5. ボトリング
    遮光瓶に充填し冷暗所保管。酸度0.8%以下ならエキストラバージンのクオリティ。
    目安:家庭用ミニ搾油機でも1 kgの実から約150〜200 mLの香り高いオイルが採れます。

風味キープのコツ

  • 金属臭を防ぐためフードグレードのステンレス or セラミックのみ使用。
  • ボトリング直前に窒素ガス充填すると酸化スピードが1/2に。

ピクルスや塩漬けの作り方

苦味抜き(アク抜き)

方法 所要日数 味わい ポイント
ソーダ灰法(苛性ソーダ不使用) 7〜10日 まろやか 食品添加物グレードの炭酸ナトリウム3%水溶液に12時間浸漬 → 真水交換×2日ごと
塩水法 30〜40日 しっかり旨塩 初日は10%食塩水 → 毎週1%ずつ減塩。発酵香がプラスされ“ワインに合う系”

基本のハーブピクルス

  • 材料(500 mL瓶1本分)
    • 苦味抜き済みオリーブ実 200 g
    • 塩 5 g、白ワインビネガー 100 mL、浄水 150 mL
    • ローリエ1枚、ローズマリー1枝、にんにく1片、輪切り唐辛子少々
  • 手順
    1. 瓶は煮沸5分 → 自然乾燥。
    2. ビネガー+水+塩を沸かして冷ます。
    3. オリーブとハーブ類を瓶に詰め、②を注ぎ冷蔵で72時間寝かせ完成。

即席レモン塩漬け

  • 苦味抜き前の青い実を包丁で3か所切り込み → レモン輪切り+粗塩10%で交互に重ね、冷蔵1週間。
  • サラダのアクセントや白身魚のソテーに◎。

まとめ

  • オイルなら低温・短時間のコールドプレスで香りとポリフェノールを死守。
  • テーブルオリーブは苦味抜き → 塩水 or 酢漬けで自分好みに仕上げよう。
  • ハーブや柑橘でアレンジすると、ワイン会・女子会のおしゃれなおつまみに早変わり!

オリーブの実を使ったレシピ

オリーブの実を使ったサラダレシピ

“彩り×満足感” が一皿で叶うギリシャ風パワーサラダ

材料(2人分)

  • オリーブの実(グリーン&ブラックMIX)…20粒
  • ベビーリーフ…ひとつかみ
  • きゅうり(乱切り)…1/2本
  • パプリカ(赤・黄 各1/4個)…角切り
  • フェタチーズ…40 g(なければモッツァレラでもOK)
  • ミックスビーンズ…50 g
  • 【ドレッシング】EVOO大さじ2、レモン汁小さじ2、はちみつ小さじ1、塩・こしょう各少々、乾燥オレガノひとつまみ

作り方

  1. ボウルにドレッシング材料を入れ、乳化するまで混ぜる。
  2. ベビーリーフ以外の具材を先にドレッシングに和え、味をなじませる。
  3. 食べる直前にベビーリーフを合わせ、器にこんもり盛り付ける。

栄養MEMO
オリーブのオレイン酸+豆の植物性たんぱく質で腹持ち◎。レモンのビタミンCがEVOOの抗酸化力を底上げします。

オリーブの実を使ったパスタレシピ

5分で完成!アンチョビ&オリーブの“プッタネスカ風”スパ

材料(1人分)

  • スパゲッティ…80 g
  • オリーブの実(輪切り)…8粒
  • アンチョビフィレ…2枚(粗ほぐし)
  • にんにく…1片(みじん切り)
  • ホールトマト缶…100 g
  • ケイパー…小さじ1
  • EVOO…大さじ1
  • 刻みパセリ・粉チーズ…各適量

作り方

  1. パスタを塩分1%の湯で茹でる。
  2. フライパンにEVOO・にんにくを入れ弱火で香りを立て、アンチョビを溶かす。
  3. ホールトマトを加えて強火2分煮詰め、ケイパー&オリーブを投入。
  4. 茹で上げたパスタをソースとあえ、仕上げにパセリと粉チーズを散らす。

時短ポイント
ホールトマトは木べらで潰しながら強火で一気に水分を飛ばすと濃厚&酸味マイルド。アンチョビの塩気で味が決まるので塩は控えめでOK。

まとめ

  • サラダは彩り豊か+満腹感でヘルシーランチに最適。
  • スパはパントリー食材だけで5分、忙しい夜の救世主。
  • 毎日の献立に“オリーブの実ひと握り”を取り入れて、美味しくアンチエイジング&ダイエットを楽しもう!

オリーブの実の健康効果

オリーブの実に含まれる抗酸化物質

オリーブの実は“食べる美容液”と呼ばれるほど抗酸化成分がぎゅっと凝縮。主役は次の3つです。

抗酸化成分 特徴 & 期待できる働き おすすめの摂り方
ヒドロキシチロソール
(オレウロペインが熟成・発酵で変化)
活性酸素をピンポイントで無力化。
肌の弾力維持・紫外線ダメージ軽減に◎
朝のヨーグルトに刻んだオリーブをON
ビタミンE(αトコフェロール) 体内の脂質を酸化から守り、血行促進で“くすみ”オフ サラダ+オリーブ+EVOOでW補給
β‐カロテン 粘膜を保護し免疫ケア。体内でビタミンAに変換 オーブン焼きで油と一緒に摂取すると吸収率UP

イメージしやすく:ヒドロキシチロソールは“ボディガード”、ビタミンEは“盾”、β‐カロテンは“修復職人”。3者タッグでエイジングの原因をブロック&リカバー!

オリーブの実のダイエット効果

  1. 満腹ホルモン刺激で食欲コントロール
    オレイン酸が小腸で分解されると、食欲を抑える“オレオイルエタノールアミド”が分泌。間食欲をなだめる頼れる味方に。
  2. 脂肪燃焼スイッチをON
    ミトコンドリアで脂肪をエネルギーに変える際に必要な“カルニチン回路”を活性化するという研究報告も。朝食に10粒プラスで日中の代謝を底上げ。
  3. 腸活でぽっこり対策
    食物繊維が“短鎖脂肪酸”の産生を助け、腸内の脂肪吸収を抑制。オイルだけでなく実ごと食べるほうが整腸効果◎
  4. むくみケア
    カリウムが余分なナトリウムを排出し、水分バランスを調整。塩分控えめライトソルトタイプの実を選ぶと一石二鳥。

摂取の目安
・ダイエット中:1日10〜15粒(約40 kcal)
・置き換え向き:おやつのチョコやチーズをオリーブMIXにスイッチ

まとめ

  • ヒドロキシチロソール+ビタミンE+β‐カロテンの“抗酸化トリオ”でエイジング対策&美肌維持
  • オレイン酸効果で食欲セーブ&脂肪燃焼をサポート。
  • 腸活・むくみケアまで狙える万能フルーツ──それがオリーブの実!
    今日から小皿にひとつまみ、手軽に“キレイ体質”を育てましょう。

オリーブの実に関するよくある質問

オリーブの実は生で食べられるの?

結論から言うと “NO”。摘みたてのオリーブには「オレウロペイン」という強烈な苦味成分が含まれ、そのままでは口の中がキシキシしてしまいます。

  • グリーンでもブラックでも基本は同じ:完熟ブラックは糖度が上がる分ややマイルドですが、依然として苦味は残ります。
  • 食べるには“アク抜き”必須:ソーダ灰や塩水に数日〜数週間浸けて苦味成分を分解 ⇒ その後オイル漬けやピクルスで風味を調整。
  • 時短派には市販品が◎:家庭での苦味抜きは手間と時間がかかるため、最初は瓶詰・パウチの“ready to eat”タイプを活用すると失敗なし。

オリーブの実の保存方法

シーン 保存のポイント 目安の賞味期限
未開封の瓶・缶 直射日光を避けた冷暗所(15〜20℃) 製造から約1〜2年
開封後(塩水・オイル漬け) 実が液面下に完全に沈むようにして冷蔵(5℃前後) 2〜3週間
下処理前の生実 水分をふいてポリ袋+冷蔵、苦味抜きは早めに 3〜4日
大量に余ったら 軽く水気を切りフリーザーバッグで冷凍(塩味キープのまま) 1〜2か月

保存テク

  • 開封後は液が減ったらEVOOを継ぎ足して空気遮断 → 酸化&カビ防止。
  • 香り移りを避けたい場合は、密閉保存容器に移し替えてから冷蔵庫へ。

まとめ

  • 生食はNG → 苦味抜き加工必須。初めは市販の調理済み実で気軽にトライ。
  • 保存は“空気に触れさせない・低温”が鉄則。開封後は3週間以内に食べ切るのがベストフレーバー!

オリーブの実の市場とトレンド

オリーブの実の市場動向

  • 世界規模で“テーブルオリーブブーム”
    2023年の世界生産量は約330万t、その約9割を地中海沿岸が占有。近年はギリシャ・トルコ産の有核タイプが“歯ごたえ重視層”に人気で、市場は年 CAGR 5%前後 で拡大中。
  • “おつまみ→ヘルシースナック”への転換
    低糖質×良質脂質ニーズが追い風となり、米国・EUでは 25 g前後のパウチ入り がスーパーのナッツ売り場に並ぶのが定番に。
  • 日本は輸入伸長+国産プレミアム化が二極化
    2024年のオリーブ実輸入量は2015年比で 約1.4倍。一方、国内産は小豆島・熊本などで“一年に一度の生新漬け”として希少価値を訴求。
  • 健康志向で“減塩・オーガニック”へシフト
    WHOの塩分摂取勧告を背景に、欧州では塩分25%オフ製品が続々。日本でもコンビニデリ各社がライトソルト品を投入し、忙しい30代女性の“罪悪感ゼロつまみ”として定着しつつあります。

オリーブの実の人気商品

カテゴリ ヒットアイテム & 特徴 想定シーン
スタッフトオリーブ チーズ・アーモンド・ガーリックなどフィリング系。味変&タンパク質補給が同時にできる 家飲みワイン会、チーズボード
ワンハンドスナックパウチ 種なし実+ハーブオイルを10粒前後真空パック。常温でバッグIN可 在宅ワークの小腹満たし
国産“生新漬け”限定品 小豆島の完熟オリーブを24h以内に漬け込み発送。フレッシュ感が段違い 季節の贈り物、食卓のご褒美
発酵タパナード オリーブ実×こうじ味噌やアンチョビを発酵熟成。ディップ・パスタソースに◎ 時短料理、パンのお供
オリーブ果実サプリ ヒドロキシチロソール高含有カプセル。“インナーUV対策”を打ち出し爆売れ 美容意識の高い女性のデイリーケア

まとめ

  • グローバル市場は“ヘルシースナック化”で右肩上がり、日本は輸入量アップ×国産プレミアム路線の二極化。
  • 人気はスタッフト常温パウチなど“手軽&高たんぱく”商品。
  • トレンドを押さえて、賢くおいしくオリーブの実ライフを楽しもう!