
「えっ、また高くなってる!」――スーパーの棚でお気に入りのオリーブオイルを手に取った瞬間、そんな声が思わず出てしまう今日この頃。2023年ごろからじわじわ続く値上げラッシュには、実は世界規模の“複合トラブル”が絡んでいます。ざっくりまとめると、ポイントは次の4つです。
世界生産量の約半分を担うスペインで、2年連続の干ばつと猛暑が直撃。オリーブが実る前に水分が足りず、収穫量がほぼ半減したことで、原料そのものが不足しました。イタリアやギリシャも似た状況で「作りたくても作れない」状態に。
オリーブを搾る機械を動かす電気、運搬用の燃料、畑に撒く肥料まで、あらゆるコストがここ数年で跳ね上がりました。生産者が背負った負担は、最終的に店頭価格へ…。
ヒマワリ油の供給が不安定になったことで、健康オイルの代表格であるオリーブオイルに世界中の需要がシフト。供給が減っているのに需要は増える――価格が跳ねるのは当然の流れです。
欧州から輸入する際、日本はユーロ建てで支払います。円安が進んだぶん為替レートの差額がそのままプラス。同時に海上運賃の高止まりも影響し、現地価格以上に値上げ幅が大きく感じられるのが実情です。
こうしてみると、「天候不順で収穫量が減った」だけではなく、原材料・エネルギーコストの上昇、国際情勢、そして円安・物流費といった要素が重なっていることが分かります。 次章では、これらの原因をもう少し深掘りしつつ、「じゃあ今後もずっと高いままなの?」という疑問に答えていきます。
「最近ずっと高いよね…」と感じているあなたのモヤモヤを、ここでスッキリ整理します。値上げのキーワードは “干ばつ・コスト・需要・円安” の4つです。
まずは最大産地スペインの事情。2022年から続く雨不足と40 ℃超えの熱波で、オリーブの実自体が付かず、収穫量は一時“半分以下” まで落ち込みました。イタリアやギリシャも高温で似た状況。欧州の23/24シーズンは平年割れが確定し、世界の供給がガクッと縮んだのです。
原油高に連動して、搾油所を動かす電気代や、オイルを詰めるガラス瓶・段ボールの価格が軒並みアップ。イタリアの中堅メーカーでは「瓶代は2倍、電気代は5倍」という声も。作り手の負担はそのまま店頭価格へ乗ってきます。
ウクライナ情勢で世界のヒマワリ油が不足した結果、健康オイルを求める需要がオリーブに集中。「供給減×需要増」のダブルパンチで、国際相場は “過去最高値” を連発しました。
輸入代金はユーロ建て。2020年に120円だったユーロは、24年には160円台に。同じ€8のオイルでも日本に届く頃には約+30%。しかも紅海の航路変更で船賃もじわ高—日本の店頭は世界平均より値上がり幅が大きく感じられるのはこのためです。
収穫量ダウン(干ばつ)+ 生産・物流コストアップ + 需要集中 + 円安―― “4つの波” が重なって、いまの価格高騰が生まれています。
次の章では「じゃあ、いつまでこの高値が続くの?」にズバッと答えていきます。
「そろそろ下がる?」と淡い期待を抱きつつレジへ向かう――そんなあなたが知りたいのは“次のシーズンのリアルな空模様”。ここからは 生産・相場・円相場 の3つのレンズで、今後1年のシナリオを同じトーンでサクッと整理します。
スペイン+48%回復見通し
EU農業省は、2024/25シーズンのスペイン産を 126万トン(前年比+48%) と試算。雨不足だった昨年から一転、春先の降雨で花付きが改善し、“並作〜やや豊作” が視野に入りました。
ポルトガル・ギリシャも増産で総量不足は解消へ
EU全体では +31%(約200万トン) 予測。イタリアだけ裏年で横ばいですが、量的には“足りない”状態からは脱却しそうです。
ピーク比▲25%で一服
記録的高値だった €/kg 9(2024年1月)から、最新取引は €6台後半。順調収穫なら 年末に €5台前半 の声も。ただ 2010年代の€3台には戻りにくい、というのが専門家の共通見解。
気象リスクは依然“バツ印”
5月〜6月に再び40 ℃超の熱波がくれば、一夜で“幻の豊作”へ逆戻り。価格の“底抜け加速”には要警戒です。
2024年秋に 1 €=160円 目前まで進んだ円安は、25年春も150円近辺で高止まり。
原料が3割安く、円が2割安ければ——店頭は1割しか下がらない のが辛いところ。
為替介入や政策次第で 145円台まで戻れば、店頭で数百円引き の余地が生まれますが、読み切れないのが為替相場。
タイミング | 狙い目理由 | ワンポイント |
---|---|---|
10〜12月 | 新物2025/26が店頭へ。本来の相場が反映されやすい | 「新油フェア」「早割」をチェック |
円高ニュースが出た直後 | 輸入系ECは為替に敏感 | 5円幅の円高でも案外値付けが動く |
春の決算セール | 旧ロット在庫一掃 | 値札は地味でも実質お買い得 |
生産量の回復で世界のオイル不足はひとまず解消方向。ただし気象リスクと円安が“最後の壁”。「新物×円高」の瞬間を狙う のが、家計に優しい最適解です。
次章では、そんな高止まり時代を乗り切る 節約ハック&代替オイル活用術 をお届けします。
ゴールは「味と健康を落とさず、家計も守る」こと。
ここでは“おトクに買う技”と“ほかのオイルを上手に組み合わせるコツ”を、気軽に試せる順に紹介します。
会員制の倉庫型ショップやオンライン専売の大ボトルを活用すると、100 ㎖あたりの単価が小容量の約半分前後になることも。
家族や友人とシェア買いすれば「多すぎて使い切れない」問題を回避できます。
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国内充填の PB 商品は、ナショナルブランドより一段安い価格帯で安定供給。アテネやアンダルシアなど産地表示もチェックし、味が気に入れば“わが家の常備油”に。
秋の収穫シーズンには “新油フェア” が開催されやすく、品質と価格のバランスが◎。
為替が円高方向へ振れた週は、輸入食材の通販サイトや量販店でタイムセールが出ることも多く、ニュースをこまめにチェック。
精製オリーブオイル(ポマースなど) はクセが少なく高温調理向き。揚げ物・炒め物に使えば、エクストラバージン(EV)の使用量を大幅カット。
EV は仕上げの香り付けやドレッシングなど、風味を生かす場面に集中させるとコスパ良好。
キャノーラや米油と半々で自家ブレンドすると、香りは残しつつコストを抑制。サラダやマリネに違和感なく使えます。
加熱後に残った油にハーブやニンニクを加えて低温で温めれば、香味油として再利用できてフードロス対策にも。
オイル | 価格感* | 風味 | 得意シーン | 主な栄養ポイント |
---|---|---|---|---|
ライスブラン(米油) | 中 | ほぼ無臭 | 揚げ物・炒め物 | ビタミンE、γオリザノール |
キャノーラ | 低 | クセ弱 | 万能 | オメガ‑3系脂肪酸 |
太白ごま油 | 中 | ほぼ無臭 | お菓子・和え物 | セサミン |
アボカドオイル | 高 | 青い香り | サラダ・ディップ | オレイン酸、ビタミンE |
ココナッツオイル | 中 | 甘い香り | 焼き菓子・カレー | 中鎖脂肪酸 |
*「価格感」は一般的な店頭印象(低 < 中 < 高)
ポイントは「香りを残す所にオリーブ、熱や量を使う所に別油」。
これだけでオイル代を 2〜4 割抑えつつ、風味・健康面のメリットを両立できます。
次章では、買ったオリーブオイルを 最後の一滴までおいしく使い切る保存テク&簡単レシピ をご紹介します。
「せっかく買ったなら、酸化させずにおいしく完食!」──そんな気持ちで挑むオリーブオイルの“後半戦”。ここでは 保存の極意 → 使い切りレシピ → 残り油の再活用 の順にご紹介します。
開栓したら2か月を目安に──香りが弱くなる前に使い切るのがベスト。
シーン | レシピ名 | 作り方のイメージ | 使う量 |
---|---|---|---|
朝食 | はちみつ&オイルトースト | 食パンにオイルを小さじ1→はちみつ→シナモンを振りトースターへ | 10 ml |
昼食 | 缶詰ツナの瞬間パスタ | 茹でたパスタにオイル大さじ1+ツナ+醤油少々。胡椒で完成 | 15 ml |
夕食 | きのこたっぷりアヒージョ風 | きのこと好きな具を小鍋に入れ、具が 1/3 浸るまでオイル→弱火で5分 | 30 ml |
おつまみ | オイル漬けチーズ | 角切りチーズを瓶に入れ、ハーブとオイルで満たす→冷蔵庫で2日 | 好きなだけ |
分量は目安。香りを立てたい料理ほどエクストラバージンを多めに。
これで、オリーブオイルは“買ったその日から最後の一滴までおいしいまま”。値上げ時代でも、賢い保存とアイデアレシピでオイルライフを満喫しましょう!
値上げ期こそ「正しい知識」でムダ買い&ムダ捨てを防ぎましょう。30 代以上の女性が抱きがちな6つのギモンに、コンパクトに回答します。
賞味期限・保存温度・使い分けを押さえれば、値上げ期でもムダなく&おいしくオイルライフを楽しめます。
オリーブオイルが高止まりしている背景は、地中海の干ばつ・生産コスト高・代替需要の集中・円安 という“四重苦”が重なった結果でした。
2025年秋には生産量が持ち直す兆しがあり、国際相場もピークから25%ほど軟化していますが、円安バリアのため店頭価格の下げ幅は限定的――ここが現実です。
それでも家計と味覚を両立する方法はあります。ポイントはこの3ステップに集約できます。
値上がり期でも「知識 × タイミング × 使い分け」の3つを押さえれば、香り豊かなオリーブオイルライフは十分続けられます。
ぜひ今日から、あなたのキッチンでも賢いオイル習慣を始めてみてください。