2025年オリーブオイル値上げの理由と今後の対策|節約術から代替オイルまで徹底解説

【はじめに】なぜ今、オリーブオイルが値上げされているのか

「えっ、また高くなってる!」――スーパーの棚でお気に入りのオリーブオイルを手に取った瞬間、そんな声が思わず出てしまう今日この頃。2023年ごろからじわじわ続く値上げラッシュには、実は世界規模の“複合トラブル”が絡んでいます。ざっくりまとめると、ポイントは次の4つです。

1.スペインを中心とした記録的な干ばつと熱波

世界生産量の約半分を担うスペインで、2年連続の干ばつと猛暑が直撃。オリーブが実る前に水分が足りず、収穫量がほぼ半減したことで、原料そのものが不足しました。イタリアやギリシャも似た状況で「作りたくても作れない」状態に。​

2.原油・肥料・電気代の高騰で“作るコスト”が上昇

オリーブを搾る機械を動かす電気、運搬用の燃料、畑に撒く肥料まで、あらゆるコストがここ数年で跳ね上がりました。生産者が背負った負担は、最終的に店頭価格へ…。

3.ウクライナ情勢で“代替需要”が集中

ヒマワリ油の供給が不安定になったことで、健康オイルの代表格であるオリーブオイルに世界中の需要がシフト。供給が減っているのに需要は増える――価格が跳ねるのは当然の流れです。​

4.円安と物流コストが“日本向け”の上乗せ要因に

欧州から輸入する際、日本はユーロ建てで支払います。円安が進んだぶん為替レートの差額がそのままプラス。同時に海上運賃の高止まりも影響し、現地価格以上に値上げ幅が大きく感じられるのが実情です。

こうしてみると、「天候不順で収穫量が減った」だけではなく、原材料・エネルギーコストの上昇、国際情勢、そして円安・物流費といった要素が重なっていることが分かります。 次章では、これらの原因をもう少し深掘りしつつ、「じゃあ今後もずっと高いままなの?」という疑問に答えていきます。

オリーブオイル値上げの主な原因

「最近ずっと高いよね…」と感じているあなたのモヤモヤを、ここでスッキリ整理します。値上げのキーワードは “干ばつ・コスト・需要・円安” の4つです。

1.史上級の干ばつと猛暑で“そもそも採れない”

まずは最大産地スペインの事情。2022年から続く雨不足と40 ℃超えの熱波で、オリーブの実自体が付かず、収穫量は一時“半分以下” まで落ち込みました。イタリアやギリシャも高温で似た状況。欧州の23/24シーズンは平年割れが確定し、世界の供給がガクッと縮んだのです。

2.電気・瓶・輸送――“作るコスト”が跳ね上がり

原油高に連動して、搾油所を動かす電気代や、オイルを詰めるガラス瓶・段ボールの価格が軒並みアップ。イタリアの中堅メーカーでは「瓶代は2倍、電気代は5倍」という声も。作り手の負担はそのまま店頭価格へ乗ってきます。​

3.ヒマワリ油不足で“代わりにオリーブ”の争奪戦

ウクライナ情勢で世界のヒマワリ油が不足した結果、健康オイルを求める需要がオリーブに集中。「供給減×需要増」のダブルパンチで、国際相場は “過去最高値” を連発しました。

4.円安と海上運賃で“日本向け”はさらに割高

輸入代金はユーロ建て。2020年に120円だったユーロは、24年には160円台に。同じ€8のオイルでも日本に届く頃には約+30%。しかも紅海の航路変更で船賃もじわ高—日本の店頭は世界平均より値上がり幅が大きく感じられるのはこのためです。

まとめ

収穫量ダウン(干ばつ)+ 生産・物流コストアップ + 需要集中 + 円安―― “4つの波” が重なって、いまの価格高騰が生まれています。
次の章では「じゃあ、いつまでこの高値が続くの?」にズバッと答えていきます。

いつまで続く?値上がりの見通し

「そろそろ下がる?」と淡い期待を抱きつつレジへ向かう――そんなあなたが知りたいのは“次のシーズンのリアルな空模様”。ここからは 生産・相場・円相場 の3つのレンズで、今後1年のシナリオを同じトーンでサクッと整理します。

1.収穫量は“V字回復シナリオ”が優勢

スペイン+48%回復見通し

EU農業省は、2024/25シーズンのスペイン産を 126万トン(前年比+48%) と試算。雨不足だった昨年から一転、春先の降雨で花付きが改善し、“並作〜やや豊作” が視野に入りました。

ポルトガル・ギリシャも増産で総量不足は解消へ

EU全体では +31%(約200万トン) 予測。イタリアだけ裏年で横ばいですが、量的には“足りない”状態からは脱却しそうです。

2.国際相場は“急落”ではなく“ジリ安”モード

ピーク比▲25%で一服

記録的高値だった €/kg 9(2024年1月)から、最新取引は €6台後半。順調収穫なら 年末に €5台前半 の声も。ただ 2010年代の€3台には戻りにくい、というのが専門家の共通見解。

気象リスクは依然“バツ印”

5月〜6月に再び40 ℃超の熱波がくれば、一夜で“幻の豊作”へ逆戻り。価格の“底抜け加速”には要警戒です。

3.日本の店頭は“円安バリア”で値下げ幅が限定的

2024年秋に 1 €=160円 目前まで進んだ円安は、25年春も150円近辺で高止まり。
原料が3割安く、円が2割安ければ——店頭は1割しか下がらない のが辛いところ。

為替介入や政策次第で 145円台まで戻れば、店頭で数百円引き の余地が生まれますが、読み切れないのが為替相場。​

4. 生活者の「買い時」早見表

タイミング 狙い目理由 ワンポイント
10〜12月 新物2025/26が店頭へ。本来の相場が反映されやすい 「新油フェア」「早割」をチェック
円高ニュースが出た直後 輸入系ECは為替に敏感 5円幅の円高でも案外値付けが動く
春の決算セール 旧ロット在庫一掃 値札は地味でも実質お買い得

まとめ —— “劇的値下げ”は期待薄でも、確実に下り坂に入りつつある。

生産量の回復で世界のオイル不足はひとまず解消方向。ただし気象リスクと円安が“最後の壁”。「新物×円高」の瞬間を狙う のが、家計に優しい最適解です。

次章では、そんな高止まり時代を乗り切る 節約ハック&代替オイル活用術 をお届けします。

オリーブオイルを賢く入手するための裏ワザ・節約術

ゴールは「味と健康を落とさず、家計も守る」こと。
ここでは“おトクに買う技”と“ほかのオイルを上手に組み合わせるコツ”を、気軽に試せる順に紹介します。

1. 大容量購入で “リットル単価” を思い切り下げる

会員制の倉庫型ショップやオンライン専売の大ボトルを活用すると、100 ㎖あたりの単価が小容量の約半分前後になることも。
家族や友人とシェア買いすれば「多すぎて使い切れない」問題を回避できます。

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2. スーパーマーケットの プライベートブランド(PB) を定番化

国内充填の PB 商品は、ナショナルブランドより一段安い価格帯で安定供給。アテネやアンダルシアなど産地表示もチェックし、味が気に入れば“わが家の常備油”に。

3. “新物セール” と “円高タイミング” を味方にする

秋の収穫シーズンには “新油フェア” が開催されやすく、品質と価格のバランスが◎。
為替が円高方向へ振れた週は、輸入食材の通販サイトや量販店でタイムセールが出ることも多く、ニュースをこまめにチェック。

4. 用途で油を仕分け――香りはエクストラバージン、熱には別の油

精製オリーブオイル(ポマースなど) はクセが少なく高温調理向き。揚げ物・炒め物に使えば、エクストラバージン(EV)の使用量を大幅カット。
EV は仕上げの香り付けやドレッシングなど、風味を生かす場面に集中させるとコスパ良好。

5. “ブレンド” で単価ダウン&風味キープ

キャノーラや米油と半々で自家ブレンドすると、香りは残しつつコストを抑制。サラダやマリネに違和感なく使えます。
加熱後に残った油にハーブやニンニクを加えて低温で温めれば、香味油として再利用できてフードロス対策にも。

◆ 代替オイルの“使い分け”シート

オイル 価格感* 風味 得意シーン 主な栄養ポイント
ライスブラン(米油) ほぼ無臭 揚げ物・炒め物 ビタミンE、γオリザノール
キャノーラ クセ弱 万能 オメガ‑3系脂肪酸
太白ごま油 ほぼ無臭 お菓子・和え物 セサミン
アボカドオイル 青い香り サラダ・ディップ オレイン酸、ビタミンE
ココナッツオイル 甘い香り 焼き菓子・カレー 中鎖脂肪酸

*「価格感」は一般的な店頭印象(低 < 中 < 高)

ポイントは「香りを残す所にオリーブ、熱や量を使う所に別油」。
これだけでオイル代を 2〜4 割抑えつつ、風味・健康面のメリットを両立できます。

まとめ 〜 高止まり時代でも“おいしい節約”はできる

  1. 大容量・PB・シェア買いで単価を下げる。
  2. 新物セールと円高タイミングを逃さずストック。
  3. 用途別ブレンド&代替オイルで香りとコストの最適解を探る。

次章では、買ったオリーブオイルを 最後の一滴までおいしく使い切る保存テク&簡単レシピ をご紹介します。

最後の一滴までおいしく使い切る保存テク&簡単レシピ

「せっかく買ったなら、酸化させずにおいしく完食!」──そんな気持ちで挑むオリーブオイルの“後半戦”。ここでは 保存の極意 → 使い切りレシピ → 残り油の再活用 の順にご紹介します。

1. 品質キープの“3大ルール”

  1. 光を避ける:直射日光はもちろん、キッチンの強い照明も酸化を加速。開栓後は棚の中や不透明ボトルへ。​
  2. 温度は常温〜涼しめ:理想は 13–25 ℃。コンロ横や窓際を避け、シンク下など比較的涼しい暗所に。​
  3. 空気と触れさせない:使うたびにキャップをしっかり閉め、残量が少なくなったら小瓶に移して“空気の隙間”を減らす。​

開栓したら2か月を目安に──香りが弱くなる前に使い切るのがベスト。

2. “使い切り”をアシストする超簡単レシピ

シーン レシピ名 作り方のイメージ 使う量
朝食 はちみつ&オイルトースト 食パンにオイルを小さじ1→はちみつ→シナモンを振りトースターへ 10 ml
昼食 缶詰ツナの瞬間パスタ 茹でたパスタにオイル大さじ1+ツナ+醤油少々。胡椒で完成 15 ml
夕食 きのこたっぷりアヒージョ風 きのこと好きな具を小鍋に入れ、具が 1/3 浸るまでオイル→弱火で5分 30 ml
おつまみ オイル漬けチーズ 角切りチーズを瓶に入れ、ハーブとオイルで満たす→冷蔵庫で2日 好きなだけ

分量は目安。香りを立てたい料理ほどエクストラバージンを多めに。

3. 残ったオイルも捨てない! “再活用アイデア”

  1. 香味油へリメイク:使い残しにニンニク・ローズマリーを加え 80 ℃ほどで5分温める。炒め物やピザ生地に大活躍。
  2. パン粉リフレッシュ:オイルを吸わせたパン粉をフライパンでカリッと炒め、サラダやグラタンのトッピングに。
  3. シトラス・スクラブ(ボディケア派向け):レモンの皮+粗塩+残りオイル少量を混ぜると、自然派ハンドスクラブに早変わり。

まとめ — “保存×レシピ×リメイク”でムダゼロ生活

  1. 光・熱・空気 を遠ざけてフレッシュさを死守。
  2. 小分け&短期消費 が香りを楽しむコツ。
  3. 毎日の食卓に“ちょい足し” して消費ペースを上げる。
  4. 残ったら 香味油やトッピング で再活用し、ロスを完全封鎖。

これで、オリーブオイルは“買ったその日から最後の一滴までおいしいまま”。値上げ時代でも、賢い保存とアイデアレシピでオイルライフを満喫しましょう!

Q&A:よくある疑問

値上げ期こそ「正しい知識」でムダ買い&ムダ捨てを防ぎましょう。30 代以上の女性が抱きがちな6つのギモンに、コンパクトに回答します。

まとめ買いしても大丈夫?賞味期限の目安は?
未開栓なら製造から 12〜24か月が一般的。開栓後は 2〜3か月で使い切ると香りが落ちません。暗所・常温(13〜25℃)で保存し、残量が少なくなったら小瓶に移し替えて空気との接触を最小化しましょう。
冷蔵庫や冷凍庫で長持ちさせてもいい?
凍結保存で品質は保てますが、解凍時の結露で風味が損なわれやすい点に注意。冷蔵庫では白濁して注ぎにくくなるため、基本は「暗く涼しい棚+小瓶詰め替え」の方が現実的です。
ボトルの色やオイルの緑の濃さ=高品質?
色は品種や収穫時期の違いを示すだけで品質指標ではありません。プロの官能試験は色が見えない遮光カップで行われるほど。香りと味で判断するのがベストです。
エクストラバージンを加熱したら体に悪い?
炒め物程度の温度(約 180℃)であれば酸化のリスクは低く、栄養価も十分残ります。香りを活かしたい場合は仕上げに追いオイルすると風味が際立ちます。
精製オリーブオイル(ポマースなど)は安全?
国際規格で食用が認められている油で、煙点が高く揚げ物向き。ポリフェノール量は少ないため「香りはエクストラバージン、熱は精製油」と使い分けると健康面とコスト面のバランスが取れます。
古くなったオイル、捨てるしかない?
風味は落ちても害はほとんどないため、石けん作りや木製カッティングボードのメンテ、潤滑油などに再利用可能。食用に再加熱するのは酸化が進むので避け、処分する場合は新聞紙や凝固剤で固めて可燃ごみへ。

賞味期限・保存温度・使い分けを押さえれば、値上げ期でもムダなく&おいしくオイルライフを楽しめます。

まとめ|値上がり期でも上手にオリーブオイルを使おう

オリーブオイルが高止まりしている背景は、地中海の干ばつ・生産コスト高・代替需要の集中・円安 という“四重苦”が重なった結果でした。​
2025年秋には生産量が持ち直す兆しがあり、国際相場もピークから25%ほど軟化していますが、円安バリアのため店頭価格の下げ幅は限定的――ここが現実です。

それでも家計と味覚を両立する方法はあります。ポイントはこの3ステップに集約できます。

1.買うタイミングを選ぶ

  • 大容量・PB商品でリットル単価を下げる
  • 秋の新物セールや円高週を狙ってストック

2.用途で油を仕分ける

  • 香り付けはエクストラバージン、加熱は精製油や他の植物油でコスト調整

3.保存&使い切りテクを徹底

  • 光・熱・空気を避け、2か月以内に使い切る
  • 小分けボトル・香味油・リメイクレシピで“最後の一滴”までおいしく活用

値上がり期でも「知識 × タイミング × 使い分け」の3つを押さえれば、香り豊かなオリーブオイルライフは十分続けられます。
ぜひ今日から、あなたのキッチンでも賢いオイル習慣を始めてみてください。